スペインの畑に畔道はない
ロスアルコスの宿を朝6時くらいに出発するとあたりは真っ暗、ヘッドライトをたよりに進みますが車道の交差点にさしかかると、矢印がついた貝マークが見当たりません。方向は間違いないだろうと考えて進むと予定の集落、ブストにつきました。
ここからサンソルという町にいくため少し曲がる必要があります。貝マークを探しても暗い中探せずにいたところ、犬を連れて散歩するご老人がいました。カミーノ巡礼路はどこか、と伺うと、”ここを、真っすぐだ。”という。というより、そう聞こえました。
そこで言われた道をすすむと、暫くすると舗装道路がなくなりいかにも農道に、さらに進むと道自体なくなりました。ここらあたりでじわっと日が昇り始めました。どうもあたり一面畑です。刈り取ったあとの麦畑のようでした。
しかし、方向から言って必ず先ほどの車道に戻るはず。そう考え畑ではありましたがそのまま進むことにしました。
刈り取った後なので、穂の高さはさほどないと見立てていましたが、2~30㎝残ってます。あわせて朝の畑はしっかり露が降りています。
畑は、行けども行けども終わらない。露がペタペタ張り付く。少し歩けば畔道があるはずと思ったのですが、スペインの畑には畔道がない。結局、車道まで20分くらいかかったでしょうか。
007のスカイフォールなどでイギリスの田園風景が描かれていて、ヨーロッパの畑はなんとも美しいと思っていましたが、それは、あぜ道がなく一面人工物がないからではないかと気が付く一方、あぜ道がないのは不便なものでした。
スペインのじいさんは巡礼者が嫌いだったのか、というのが私なりの結論でした。
巡礼者が積み上げたケルン
見事に整ったブドウ畑
ログローニョのカテドラル
スペイン人にとっての外飲み
大きな聖堂はそれ自体が観光施設となっており、日本の大きな寺社でもみられるような参道や周囲の道路沿いには、飲食店、土産物屋が集まっています。ここ、ログローニョにもカテドラルと言えるサイズの聖堂があり、リオハ県の県都でもあるため、博物館などの施設があります。
参道にはバルがたくさんあり、スペイン人たちが群がっています。多くのバルには店先にテーブルを置き、多少の広場があれば店の中以上のテーブルと椅子を置いてオープンカフェと化しています。店の中で飲み食いするより、明らかに外の利用者が多いのがスペインスタイルです。
日本では、先だって10月末のハロウィンで渋谷の街が仮装した人であふれかえり、加えて路上飲みが増えることで街があれるので区が規制をかけた、と伝えたうえ、外国人が来たがるのは公然と外で飲めるのが珍しいと思っているのではないか、シンガポールでこんなことをやったら罰金である、といった報道がありました。
しかし、スペインではオープンカフェがあたりまえで、夕方から日没過ぎまでバルで飲み食いし騒いでいました。
雨の多い日本では定着していませんが、報道にあるように外飲みできることが珍しいのでなく、そのような施設が少ないため、やむを得ずコンビニなどの店先で飲み食いしているのかと思った次第です。