Quantum of Treks

タダより安いものはない。歩けばそこに報酬(Quantum)あり。

バルパライソ(Valparaíso)

バルパライソはチリの首都サンティアゴから120㎞、バスで2時間弱、バルパライソ海港都市の歴史的な町並み」として世界遺産に登録されています。

バルパライソは、19世紀初頭より発展したチリの主要な寄港地になり、イギリス、フランス、ドイツなど様々な国籍、人種が移り住み、教会もイギリス様式、ドイツ様式、プロテスタントの教会、シナゴーグがあります。建物もこれにあわせ多種多様な建築物が見られます。

パナマ運河ができたのちは、その港湾として重要度が衰退するものの、今も港湾としての重要な役割を果たしているようです。

このように歴史ある街ですので、いかにも歴史的建造物と思われる建物も見られますが、いかんせん町が汚い。

歩道ブロックが壊れ補修せず、土がむき出しになっているところが多数、埃っぽい。

そして、昨年行ったスペインなどの街並みでも見られましたが、とにかく落書きが多い。日本ではまあ、考えられないくらい汚している。

歴史的建物だが残念ながら落書きが。。。

 

すこし埃っぽい街であるもの、ユニークな建築物、メインストリートには狭いながらもトロリーバスも走っています。

トロリーバス

 

お店の前によく犬が寝ています

ガイドツアー

こんなバルパライソの街ですが、せっかくの世界遺産。ガイドと1対1の2時間ツアーに参加しました。

ガイドはアルバロさん。アラフォーくらいの地元の男性。

きれいで分かり易い英語を話します。

ツアーの出だしは、バルパライソの名物斜行エレベーター、フニクラです。

サンティアゴと違いバルパライソは海沿い以外斜面の町で、それを補うためこの斜行エレベーターがたくさん設置されたようです。元々私有であったのが、今では市の管理、市内に十数基あるそうです。すでに100年以上経っていて、有料です。

斜行エレベーター、フニクラの機械室

 

バルパライソは大きな建物こそありませんが、その景観やこれまで様々な人種を受け入れてきた街のつくりが近年になって、バックパッカーやアーティスト、音楽家に受け入れられその痕跡が、建物などの壁画となってあちこちで見られます。

バルパライソの街を高所から見下ろす。
街の変遷を表す壁画のあるホステル

バルパライソの街

バルパライソの街

下の壁画はチャーリーパーカーやエラ・フィッツジェラルドらを描いたものだそうです。

バルパライソの街壁画、ジャズプレーヤーたち

バルパライソの街

Valparaíso

斜度60度はあろうかという斜行エレベーターフニクラ

バルパライソの英雄

バルパライソのバザール

 

イグアスの滝と”モココ”ツアー

出発は午前5時

ブエノスアイレスからアルゼンチン側のイグアスの街、プエルトイグアスに行く便の出発時刻は午前5時25分。宿に泊まるとうまく空港に着けるかわからないので、この日は空港泊。

ブエノスアイレスの宿からエセイサ(EZE)ブエノスアイレス空港に到着したのが午後6時、よって空港で約11時間、この間ベンチでうつらうつらしたり、飲み物をのんだり、立ったり座ったりを繰りかえし過ごす。

予定通りの飛行機でイグアスの空港に着いたのが午前7時15分、街までの相乗りのミニバスを申込んだ。

イグアス空港の相乗りミニバスの申込カウンター

ミニバスは同乗者をそれぞれのホテルで降ろし、同乗者がほぼいなくなる終わりころ漸くわが宿に到着。

宿にはお昼前に着いた。特にアクティビティの予定も入れていなかったため、いささか時間的余裕が生じた。

そこで、宿の近くにある代理店に飛び込み、これからいけるツアーはないかとあたってみた。そこで提案されたのが、”モココ”というアトラクション。

どうも、ボートに乗って滝を鑑賞するというが、それ以上の予備知識がなく参加することにした。

ツアーにこみこみのハイヤーでブラジル側の施設の前まで連れて行ってもらい、ここからは一人で行動。

まず入場口前の券売機で施設入場料95米ドルをカードで支払う。

天然の産物でありながら95米ドルは結構な額だなあと思いながら、だからといって森のわきからすり抜けるわけにいかない。しょうがない。

 

”モココ”ツアー

入場ゲートをくぐり、スタッフに「モココツアーに参加する」と伝えるとシャトルバスに乗り2つ目のストップで降りるように言われた。

バスを降りると左手に売店、右手にチケット売り場とその背後にツアーゲートがある。

ゲートを通る前に軽く売店を覗くとぬいぐるみやら、バッジにカッパなどが置いてあった。

ゲートをくぐると屋根と骨組みだけの客室のバスに乗せられた。バスは曲がりくねった森の中の道をゆっくり10分ほど走ると、ジープのような車が待機、ここで乗客を2つに分け乗り換えさらに進むこと5分、客十数人が並ぶ施設がみえた。

この施設は斜行エレベーターで30mほどの落差と結構な角度がある。

このさきに小さな桟橋と複数のボートがあった。

ここまで来てふとまわりの人たちを見渡すと、多くの方がかなり軽装である。いや、軽装というより、ほぼ水着のような人もいる。あわせて足元はサンダル履き。

なかには安物の透明のポンチョをかぶった人もいる。さっきの売店に売ってあった。

”まてよ、これはやばい。相当濡れるのか!”リュックは防水だ。あわてて手持ちの荷物をリュックに詰め込んだ。

指示に従いライフベストを着用する。

 

モココ体験のボート乗り場と繋ぐ”フニクラ”(斜行エレベーター)

ボート乗り場

ボートは船外機付き、6列で1列に4人乗り込み、前から2列目の右端に座った。
ボートは出だしこそ、じわっとした速度であったが直ぐにスピード全開で川の波をたたき前後左右に揺れ出す。

しかし、それほどの水をかぶるという程度ではない。

乗客の何人かはスマホをかざし録画している。ここまでは、余裕であった。

 

ここで思い出したのが、ここはイグアスの滝でも有名な悪魔の喉笛(Devil's throat)と呼ばれている場所。

ボートはその喉笛にじわじわ近づきだした。

巨大な滝が、目の前に。

滝が壁になった。

え、と思った瞬間、ボートは滝に突っ込んだ。

巨大な水の塊が落ちてくる。息ができない。

何秒だったのか、ボートは一度滝から離れる。

呼吸を整えると、間髪を入れず、また滝に突っ込む。

今度は水を浴びながら考える余裕ができた。

”ああ、腰のミニバッグをリュックに入れればよかった。”

お札とパスポートを入れていた。もう、遅い。

他の乗客は、きゃあきゃあ言って楽しんでいた。

確かにこれは面白い。しかし、もう少し事前説明が欲しかった。

(上の動画はアトラクションの肝が撮れていません。)

 

アトラクションが終わり来たとおりの道をもどり、売店付近についたところで、靴を脱ぎ、靴下を脱いだ。靴下を絞ると滝のような水がでた。

やむなく売店でサンダルを買った。

その時買ったサンダル(ブラジルサイドなのでポルトガル語で"macuco”と表示)

 

その後、シャトルバスに乗り、ルートの奥にある観賞場所に行くが、慣れないサンダルが指のはざまに食い込んで痛い。この日はここまで、ハイヤーを呼んだ。

イグアスの気候は乾燥気味で、靴を宿のベランダに干していたらなんとか夕方までに履けるまでに乾いてくれた。

パスポートはさすが日本政府の作品。ページをゆっくり開くと全て破けずに開くことができた。しかし、プラスチックの表紙はへろへろになった。

 

入場料は別料金

次の日は事前に予約していた、「イグアスツアーアルゼンチン、ブラジルの両サイド」(Full Day Iguassu Falls Both Sides - Brazil and Argentina)である。

ピックアップは朝8時20分、少し早いが宿泊しているホステルまで来てくれる。

ガイドの車は想定時刻より少し遅れ、私と同じ宿の参加者M氏を乗せたところでメンバーが揃った。

リタイヤ組で60を超えているだろうと思われるアメリカ人夫婦。70近いのでは思われるソロの女性。30前くらいのワシントン出身のM氏と当方。総勢5名であった。

ガイド兼ドライバーはロベルト、アラフィフの気のいいオヤジである。

ロベルトは、初めにアルゼンチンサイドに向かうが。入場券は持っているかと聞く。前日もそうであったが、ツアー代金に入場料は含まれていない。

私とM氏は持っておらず、また見合う現金もない。ロベルトは、では、これから街のATMで現金をおろそうと言う。やむなく近くのATMへ行くが、このATMでも数名並んでいて先に進まない。徒に時間が経つばかり。

そうこうしているうちに参加者のアメリカ人が、スマホで登録すればクレジットカードを使い購入できるはず、と提案され、これに挑むことにした。

現地に向かう車内で、スマホでアルゼンチンのイグアス施設サイトに接続。アカウントを設定しようとするが、項目はスペイン語、大方見当がつくが、不明な項目がある。この単語はなんだ、となりのM氏にうかがうがどうも違う。すると前列のアメリカ人ペアの奥様が元スペイン語教師という。ご指導を受けるとなんとか項目が埋まった。知恵を寄せれば何とかなるものである。

そして、クレジットカード情報の入力。車が移動している間、電波が途切れたらまた最初からか、そんなことを心配しながら、揺れる車で目をこらし入力すると、なんとかコンプリート。

アルゼンチンサイドの施設手前でサイトから入場券を購入できた。

 

はぐれないよう

施設へは参加者5名とロベルトが入場し、ところどころロベルトが解説を加えてくれる。よく考えれば、この6名は同じ車で来たので、同じ行動をしないと、この後帰り着かない。全員はぐれないようにしなければ。

そこは、ロベルトには想定内である。手にはすこし奇妙な音をたてる笛を持っていた。はぐれそうになると笛をふくからと言う。なるほど。

また、このようなツアー団体用に用意された、共通の番号が入ったバッジを渡された。片面がアルゼンチンサイド、その裏がブラジルサイドの番号である。

入場ゲートを入ってすぐ売店があった。メンバーはさっそく水やコーラなどを購入する。メンバーは5人だが、それぞれが嗜好があり微妙にタイミングがずれる。

売店を出てルートに沿ってイグアスフォールのポイントに行きそれぞれが写真を撮ったり、浸ったり、時になかなか現場を惜しんで離れられない人も、そんなとき約束の笛をロベルトが吹く。

それでも一本道のルートのなかとは言え、周囲は他の客でぎっしり、少し目を離すとメンバー同士が離れわからなくなる。しょうがないので私は彼らの中間あたりに陣取ることにした。

アルゼンチンサイドのルート図


イグアスフォールは、さまざま顔をもっている。落差が高く、幅も広いごう音を立てる滝、遠目にみてであるが細い滝が横に連なった滝。すこし奥まったところには滝行に使えそうな小ぶりの滝もある。

ルートは幅2mくらいで床面は網状の錆に強いステンレス製。よって床下が透けて見える。

この通路が、一部では滝の肩をなぞるように、一部では川をまたぎ、一部では川の中心に向かいせり出している。滝をより近くで味わえるよう配置されている。

土台は鉄筋の入ったコンクリートで、もちろん揺らぐこともないのだが、ポジションによっては水をかぶるよう設計されているところもある。

川の中には流れが抑えられたたまり場、ワンドもあるようで、川をまたぐ通路を見下ろすと1mは超える大きな魚が2匹水面にいた。キャットフィッシュ、ナマズであった。

滝のすぐ上にある通路

木々が多くなるころ、アルゼンチンサイドのルートが終わり、この先に売店があった。

ロベルトはここで時間を決め休憩とした。

その隣には園内のトロッコ列車がありこれに乗る予定だ。

しかし、メンバーの70くらいのおばちゃんが帰ってこない。

すこしして、おばちゃんが手にアイスをもってふらっと現れた。

アイスを買うのに相当並んだらしかった。

 

アルゼンチンサイドのトロッコ列車

トロッコ列車は、アルゼンチンサイドの出口にあるレストランの前まで運んでくれた。

ここで、昼食となった。

 

ブラジルサイド

次はブラジルサイドである。

車に乗り込み、国境を越えたところで、アメリカ人のご夫婦が車を降り、待機していた別の車に乗り換えた。

メンバーは3名となった。

ブラジルサイドは前日行ったばかりだったが、幾分足りないところがあった。再度入場。

ゲートをくぐるとロベルトは3名で自由に廻ってくれと言う。少し不安に感じながらも3名なのでなんとかなるだろうと、鑑賞コースに沿って歩くことにした。

3名であるが、どうもおばちゃんがマイペースである。ちょっと、眼を離すといなくなる。

蝶が好きなM氏は、近くに寄ってくる蝶を見つけるとカメラを向けだす。

しょうがない、私は出来るだけ両名の間にいるようにした。

 

ブラジルサイドのイグアスフォールには、ここの主役的存在の滝つぼのすぐ前に鑑賞デッキが張り出している。

ここに行かずしてどうする。

M氏もすでにここに向けて歩き始めている。

通路の少し前から、水しぶきが迫り出し、歩を進めるたび浴びる量が増えだす。

この日は天気がよく日差しが強い。通路の中ほどではしぶきを受ける中、小ぶりの虹がかかっていた。

虹をバックにM氏を撮影し、通路の先端のデッキへ行った。

デッキで暫くしぶきを浴び、引き返すと気が付いた。

おばちゃんはどこ。

 

通路の上の方にロベルトがいて、おばちゃんも一緒だった。

滝と虹

 

イグアスの周辺には人になれた野生動物もいて、猿やアライグマの仲間のコアティスという動物もいました。

ガイドからは、決してエサなどを与えないようにと言われ、施設内にもその旨看板がありました。

 

大き目のトカゲもいました。

コースのすぐわきにいたトカゲ、1m近くあります。

 

ユネスコ無形文化遺産 アルゼンチンタンゴ

ディナーつきのアルゼンチンタンゴショーに参加しました。

夕方6時半にサボイホテルにミニバンで迎えに来てもらい、その後、参加者を近くのホテルで拾っていきます。30分ほどで会場、Aljibe Tangoに到着。

ディナー付きタンゴショー会場 Aljibe Tango


会場の奥に幅10mくらいのステージがあり、奥行きは左手にピアノがあり少し深くそれ以外のところは5mほどでしょうか。

ディナーショーは食事から始まり、メニューを渡されます。前菜、メイン、デザート、それにワインですが。周りを見渡すと、ワインがいの一番に来ていたのですが、当方のテーブルだけない。それを担当サーブのジョージに話すと、分かったような返事だったのですが、暫くすると上司がやってきて、なぜワインがないのだ、お前は分かってない。と怒られていました。

月曜日の夜でしたが、同じテーブルの観客はケンタッキーのアメリカ人、60台後半くらいの2組の男女でクルーズ客のようでした。

多くの客が男女ペアのようで、一人で来たのは私くらい。なかなか他の客と交われないながらも、私がウシュアイアに行った話をすると、それを超えた南極ツアーに行ったと言って返されました。ちょっと私以外はかなりお金持ちが参加しているようで、太刀打ちできないようでもありましたが、私が4か月前にサンチャゴコンポステーラに巡礼に行った話をすると。すごいと感心されました。お金持ちは巡礼はあまりしないのかもしれません。

話をしているうちに前菜のサラダ。暫くしてメインの牛のほほ肉のシチューが来ました。ほほ肉は量こそ多くないのですがよく煮込まれソースも申し分なく、ほろほろの食感で絶品でした。

料理を大方食べ終わる頃、ステージに演者がスタンバイ、チューニングをはじめます。左奥にピアノその手前にベース、中央にバンドネオン小ぶりのアコーディオン)、その右にギターという布陣。

すこしして、バンドネオンが甲高くゆっくりとしたペースでが響き、3組の男女が登場。

男性はぴっちりした黒のスーツに白の縁取り、背が高いわけではないのですが、外見からも筋肉質に感じられます。口髭と顎髭はきれいに整えられ、黒の中折れ帽と調和されゴッドファーザーにでてもおかしくない出で立ちです。

一方女性も黒いスーツ、スカートの裾は大きく割れ足の自由度を高めています。真ん中の女性の背中は大きく開いています。

ペアはともにスーツですので、夕方仕事帰りに落ち合ったかのような設定でしょうか。

タンゴはバンドネオンの甲高くもゆったりとはじまり、ペアは互いに腕を取り腰に手をまわし、くるくる回転しながら、女性は片足を男性のからだに絡めたり外したり、なぜ、男性を蹴らないのだろう?と、不思議に思える動きをします。

ときどき男性が女性のからだを持ち上げ、女性は大開脚。

音楽とダンスが絶妙に融合という感じでした。

アルゼンチンタンゴ

 

ショーは、このほかドレスまとった女性と一対一のダンス。

身体の半分ほどの太鼓を抱えて、バンドネオンなどにあわせたドラミング。

ソロの女性ボーカルがありました。

ショーの終盤には、正装ですがブルーザ・ブロディのようなワイルドなヘアースタイルのオヤジが、アメリカンクラッカーのような、おそらく硬質のプラスティックのボールを両手に持ちくるくる回して、床にあてリズミカルにカツッ、カツッと音をたて、太鼓にあわせて軽妙に踊るショーがありました。

これら、トータル3時間ほどのディナーとショーでした。

エルチャルテン ラフティング

エルチャルテンの横を流れるラスブエルタス川(Ras Vueeltas river)でラフティングを体験しました。

街のメインストリート、サンマルティン通りの終わり付近にたくさんの正三角形で作られたドーム状の建物が事務所でした。朝の10時集合。

30分前に到着し、参加者の確認後、ウェットスーツに着替え、ライフベストを装着し、足裏に地面を感じる足袋のようなウォータープルーフの靴を履きます。

当然ですが更衣室は、男女に分かれています。しかし、この空間が何とも言えないモアっとした空気がよどんでいます。そう汗のにおい。剣道場のにおいです。

 

その後責任者より指導がありました。その際、私の二の腕をつかまれました。”ええ年なのに、こいつの筋肉はだいじょうぶだろうか。”と思ったのでしょう。失礼な。

 

時間ギリギリに、最後のペアがきて、事務所の前で記念撮影。

本日の参加者はブラジル人、ノルウェー人、アルゼンチン人、日本人計9人、うち4名は家族でした。

参加メンバー9人

ミニバンに参加者を乗せ5分ほど走ると砂地の河川敷に到着。ここで、改めてオールの使い方や、ボートから転落した時の対応などの指導がありました。

指導風景

ひととおり指導が終わると、いよいよボートに乗り込みます。ボートは2台、4人家族と一人の青のチームと残りの私も含めた4人の白のチームに分かれ、それぞれに指導スタッフが船尾に乗り込みました。

このほか、小型カヤックに乗るスタッフが1名。

陸域からスタッフが強く押すとボートはゆるやかに川の流れに乗り、メンバーはオールを構えスタッフの「フォワード」という指示で漕ぎます。

私は2列目の右側、前列のオールの動きに合わせないとオールがぶつかってしまう。

前列の人は多分分かってないと思うが、タイミング合わせが結構難しい。

 

はじめのうちは、川の流れがゆるやかで指示通り、想定通りの動きだが、徐々に川の様子に変化が出てくる。

一部は川幅が狭まり、一部では段差が生じている。

そのたびにボートは大きく前後左右に揺れ、オールの操作、力加減も絶妙にする必要がある。

大きく揺れると体が河川に飛び出しそうになるが、シート部分と床面との隙間に足先を強く入れ込み、転落しないよう力を込める。

こうした変化、激流がより大きなものとなると、指示を出す背後のスタッフの声も大きくなる。

これら難所を抜けたとき、スタッフは「セレブレーション」と叫ぶ。

そして、メンバー全員がオールを宙にあげ、ハイタッチをする。

ボートは、川の突然のうねりで右へ左へ、波をかぶったり、突き出た岩にぶつかったり、ゆるやかな流れになったりを繰り返し、また突然激流に変わる。

そこを乗り越えると、またセレブレーションの掛け声で一致団結する。

流れがゆるやかになったときは、周りの風景に目をやる余裕も出てくる。

ふと目をやると高台に、グアナコの群れがあった。

かなり遠方の背後には、この町の象徴フィッツロイが見えた。

そして、また激流。セレブレーション。結構長いこと漕いだなあと思いつつ

そうこうすると、なにやら流れが緩やかになったところで、メンバーの一人が突然川に飛び込んだ。続いて他の数名が飛び込み、これを船尾のスタッフがボートに引き上げた。

ツアーは、ここで終了。

最後に安全な場所で飛び込むのがお約束だった。

すぐそばの河川敷に迎えのワゴン車が待機していた。

都合、17㎞、約2時間のアトラクションであった。

ラフティング

ラフティングコース

 

エルチャルテン フィッツロイ トレッキング

エルチャルテンはエルカラファテからバスで3時間ほど。

カラファテが、街のメイン通りに土産物屋、旅行エージェント、レストランがこれでもかと並んでいる如何にも観光客向けのつくりをしているのに対し、エルチャルテンは街のメイン通りの終わり付近にキャンプサイトがあるなど、自然に浸る客を相手にしていることがうかがえ、旅行者の多くがリュックを背負っていた。

街のサイズもコンパクト、肌感覚で五分の一程度と思えた。

エルチャルテン

パタゴニアとネット検索するとアルパインメーカーのパタゴニアがまず浮かぶ。

そのメーカーのトレードマークがフィッツロイ。

パタゴニアに来た以上、ここに来ねばと思い、どうすればトレッキングできるかをホステルスタッフに相談したところ、トレッキングポイントまで送ってくれるバスがあるという。

「それって、送るだけ、帰りはどうするの。安全なの?、ガイドは」と、聞くと

「問題ない。セーフティ。誰でもやっている。」という。

その言葉を信じ、バス料金7,000ペセタ(7米ドル)をホステルで支払った。

 

当日、朝8時にホステルで大型バスがピックアップ。市内のホテルなどを巡回し客をピックアップしながら、郊外に向かう。バスはほぼ満員となった。

バスは舗装されていない道路を走ること約40分、登り口に到着した。

バスの乗客の行動は全て同じルートであった。

この降車場所ではほかのトレッカーもたくさんいて、コースはほぼ一本道悩むことはなかった。

30分ほど歩くと、平たい顔の30台半ばくらいの女性がいた。日本人のパーティのガイドのようで、このガイド以外は概ね高齢者。15名ほどいた。ガイドの日本人は大阪人、最高峰がインドの6千メーター級との話していた。

 

ルートのところどころにフィッツロイを拝める隙間があり、多くのトレッカーがスマホを向けていた。

すこし遠方からのフィッツロイ。

森のはざまからのフィッツロイ。氷河が見えます。

 

さらに暫く歩くと10人程度の別の日本人グループと遭遇した。パーティの日本人ガイドにうかがうと「昨日は曇りがちでよく見えなかったが、今日は天気がいい」という。確かに当日は暑くも寒くもなく心地いい気候であった。

小川をまたぐ橋は一度に一人だけ、という掲示

ここまで平坦な道をゆるゆる進むと曲がり角に到着した。(以下の地図参照)

ここから真っすぐすすむとエルチャルテンの町にすすむはずである。

当然であるが、ここでエルチャルテンに向かうものなし。山に向かう道を選ぶ。


さらに少し進むとキャンプサイト

徐々に傾斜が急になるとともに、砂や小石が混じる地盤にシューズが地面に噛まない。

振り返るとかなりの傾斜である。よくここまできたもんだ。

途中、降りてくるトレッカーから、あと10分と声をかけられた。

傾斜がなだらかになり、また、急な坂に、これを登りきると眼下にラグーンが見上げればフィッツロイ。

絶好のシチュエーション。風は優しく、暑くも寒くもない。

フィッツロイとラグーナ ロス トレス

ラグーンでは泳ぐ人もいた。

暫くすると日本人の声「西遊グループはこちらに」という声。西遊旅行社でしょう。彼らは10人くらいのグループ。味噌汁を飲みだした。

フィッツロイに雲がかかる。

長居をしてもしょうがないので、写真撮影を依頼し下山。

急峻な斜面を意識を尖らせながら降りる。

下山風景

なにごともなくキャンプサイトへ、曲がり角へ

ここからさらに8キロ

ちょっと足が熱っぽくなり、特に薬指に疲労がきた。

よく出来たもので、エルチャルテンまで残り2キロくらいのところにラグーン出現。

熱くなった足先を水に沈める。なんとも気持ちいい。

ラグーンで休憩

また、歩き出す。終盤はかなり急な下り坂または階段であった。

終点に到着。都合23㎞、8時間10分のトレッキングであった。

トレッキングコース



 

 

エルカラファテ ペリト・モレノ氷河(Glaciar Perito Moreno)

10時半ころカラファテホステルにバスが迎えに来て乗り込み、街の主だったホテルなどを巡り、乗車したのが30名ほどでしょうか、それからバスは街をはなれ湖沿いの一本道を1時間半ほど走ると脇道へそれました。

ここが湖に浮かぶ氷河のビューポイント(Mirador De Los Suspiros)で周りの山々に溶け込みバランスのいい風景を作っていました。

入場料不要のビューポイントから

さらに5分ほど走るとチェックポイントでバスがとまり、ガイドが入場券を持っているかどうかを問い合わせました。これから先に入るには入場料が必要で、当方認識がなかったのですが、多くの方はネットで事前に購入していたようでした。

ここで、当方他五名ほどバスから降り。施設に入り順番に購入していき、自分の番になりました。

スタッフにクレジットカードを渡すと、「ノットウォーク」と言われました。

”え、歩けない、とはどういうことだ”、”ここから走れ”、”ここから立ち去れ”という意味かと不思議に思っていると。

背後から、日本語で「カードを変えたらどうですか」との意見が、”ああ、ノットワークね。”合点がいき別のカードで入場料12,000ペセタを支払いました。

バスに乗り込みさらに5分ほど走ると、桟橋が見えました。

 

クルージング

全長30mほどの大型のカタマラン(双胴船)が3隻ほど停泊しており、ガイドに案内され一番大きな船に乗り込みました。

船内は100人程度座れるシートがあり、2階席もありましたが、そこにはチェーンでふさがれていました。

外は、パラパラとした雨が降っていて、どんよりとした天候。座席から外が見えにくいため、先頭に陣取りました。

船はかなり勢いよく湖を走り周囲を楽しむ余裕がなかったのですが、暫くするとスピードを落としだしました。

すると、乗客たちが動き出しました。キャビンからデッキに出だしたのです。

実は船室の先頭は出入り口から遠く、出足が遅れる場所でした。

それでも、他の乗客を間をなんとかすり抜け、収めたのが以下の写真です。

ボートは、氷河にゆっくり近づき表面をなめるように並行して進みます。

氷河はとにかく巨大で、青白くまさにここでしか見れないかたまりといえるでしょう。

ボートが動き回る間2回ほど氷河が崩壊するドーンという腹に響くような音を聞きました。

ペリトモレノ氷河

 

ペリトモレノ

 

 

ボートは30分ほど氷河の前を一通り航行し引き返し出したことが分かったので、キャビンに戻るといつの間にかバケツに氷河の一部が飾ってありました。

氷河サンプル

以下は船のコース

クルーズコース

陸上から

クルーズが終了すると再度バスに乗り込み、鑑賞コース(キャットウォーク)に行きます。

上図の「Walkways」と書かれた場所です。

この道路終わりにレストラン、休憩所、売店があります。

ガイドは、五色の鑑賞コースを案内し、2時間ほどの自由行動となりました。

キャットウォークは幅2mほどの通路で、以下の図のとおり、500m程度のものから、1kmちょっとのものまで、ガイドからは、帰る時間を考えてコースを選ぶようにとの指示がありました。

五つの鑑賞コース

キャットウォークの一部

鑑賞キャットウォークから見た氷河

鑑賞キャットウォークから見た氷河。湖面に鑑賞ツアーのボートが小さく浮かんでいます。

氷河は常に動いていて、ときどき分裂しては湖に溶け込んでるようで変化を繰り返していますが、現地の看板によるとその高さはおよそ50mから70m、深さは160mと示しています。

高さだけを見れば20階のビルくらい。

ここだけでも、(氷河はパタゴニア地方の方々にあるのですが)根っこの生えた東京ドームが数十個、ときどき自らの壁を削りながらじわっと迫ってくる、という感じでしょうか。

氷河の規模を示す現地の看板

ペリトモレノ

船からでなく、陸域から見た氷河もおよそ迫力のある物体でした。

ツアーは移動も含めて6時間ほどでした。

 

以下は、カラファテの公園にある、氷河の発見者 フランシスコ・モレノの胸像

Francisco P Moreno







ウシュアイア ビーグル海峡2 ペンギンコロニー 

 

ウシュアイアの名物は実はペンギン(マゼランペンギン)で、街の土産物屋にいくとペンギン関連のグッズがかなり置いてあります。

ビーグル海峡の島にコロニーがあるためですが、これを見るツアーに参加しました。

集合時刻は朝9時。まず、桟橋の傍のチケット売り場でチェックインしチケットを発給してもらいます。

余裕を持って、8時10分ごろ着いたのですが、すでに10名ほど並んでいました。

売り場ではすでにスタッフがいて、客と対応していたのですが、なぜか5分、10分経っても処理できず前に進まない。そのうち私の後ろにずらっとラインができ始めた。後ろはじわじわ増えるが、処理ができない。

やることはそんな難しくないだろう。なんやかやと30分ほどしてやっと自分の番。

事前の購入記録を提示し、大人1名のチケットを発行するだけ。私の処理はものの1分もかからなかった。

それにしても、後ろの人たちはかなり待たされ、出発時刻も迫っていたはずだが、あまり大騒ぎしていなかった。人種の違いでしょうかね~

桟橋の根元にあるチケット売り場、このような小さな建物が10以上ある。

船はかなり大きく一階船室は通路が2軸、8人掛けのテーブルが窓際と中央にあり4列それに角にはコーヒーなど提供する売店があった。これに2階席もあった。100人を超える収容力。

船が進みだすと、ガイドの女性が売店の前でマイクを通じてツアーの説明をスペイン語と英語で行った。

なんとなくであるが、スペイン語より英語が短く感じたので、英語の説明ははしょっているのではと思えた。証明できないが。

本日の船は少し大きなカタマラン

さて、この日のコースの目的地は以下の図の右端の小さな島。Isla Martillo(pinguinera)とある。

先日のアシカコロニーの島は灯台の近く。距離は4~5倍あります。

よって、最初から飛ばします。

ツアーのコースの図

しかし、要所要所は抑える必要があるので、灯台とアシカのコロニーもまわります。

ウシュアイアの象徴の灯台は押さえます。

そしてアシカの群れ、この日はよく吠えていました。「あ~、も~」となんだか投げやりです。

アシカ

 

途中、海峡の対岸のチリ側に、プエルトウイリアムスという空港も備わっている港があり、ちょうど上空に飛行機が飛んでいますと、ガイドが解説していました。

 

そして、ペンギン島、このころは多くの乗客がキャビンの外にでていて、私は後れをとりました。

船から上陸するわけでなく、あくまでデッキからの観察ですが、それはそれは、いるわいるわ。

 

ペンギン

ペンギン

 

何羽いるんやろ、ちょっとトライポフォビアの私としては、多すぎて気持ち悪いところもありましたが。

感動が先立つ、行きと観察と帰りと都合6時間といったところでした。

カタマラン