Quantum of Treks

タダより安いものはない。歩けばそこに報酬(Quantum)あり。

カミーノ DAY12 オンタナス→ボアディージャ デル カミーノ(Hontanas→Boadilla del Camino)

オンタナスから5キロほど歩くと史跡がありました。

サンアントン修道院跡(Ruinas del Monasterio de San Anton)

巡礼路で様々な史跡、遺跡を見てきましたが、キリスト教関連や城壁などは、その有用性からか多くが修復や拡張が加えられ山頂にあるような城跡を除くと、意外と荒廃(Ruin)のようなものは見ないのですが、ここの施設はまさに荒廃しています。ボロボロです。

しかも、世界遺産となってもおかしくないような12世紀の文化遺産でありながら、なんと、この一部を活用しアルベルゲになっています。巡礼者の日常を考えてあちこち見渡すも、落書きこそありませんでしたが、電気も通っていない施設で、ちょっと日本では考えられません。

(銘板に”The convent was founded in 1145 under the patronage of King AlfonsoⅦ.とあります。)

サンアントン修道院

巡礼路で一番分かりやすい道標

カミーノ フランシスは全長780㎞。途中ブルゴスのような世界遺産を抱える都市もあれば、畑のど真ん中、山道もあり決して真っすぐな道ではありません。

そこで巡礼者が頼りにするのが基本、巡礼路にある道標です。

その道標もさまざま、しかし最も分かりやすいのがこの経路にあった以下のものでしょう。

巡礼路で一番わかりやすい道標。高さ3mくらい
よくある道標。右端は歩道タイルに埋まっているサイン。

プール付きのアルベルゲ

この日の宿エンエルカミーノ(En el Camino)は、個室があるホテル棟と、ドミトリー形式のアルベルゲが別棟であります。

宿の支配人、オスピタレロ(Hospitalero)と言うそうですが(スペルをご覧の通り病院hospitalから派生した言葉で救護院に従事する人の意味のようです。)ここの支配人がとにかくよく働く人で、フロントの前面は小さな喫茶スペースになっていたのですが、ここの飲み物や軽い食事の給仕、アルベルゲやホテルのチェックイン受付、別棟へのベッドへの案内を英語やスペイン語でちゃきちゃき捌いていました。

私は、電話で前もって予約を入れていたのですが、ジャパニーズと言うとしっかり覚えていて軽く日本語でも挨拶されました。

なぜ、これほど感心するかというと、このオスピタレロたちは千差万別、中にはほぼ英語を話さず、スペイン語だけで通す方もいます。巡礼者はもちろんスペイン人もいるし、南米のかたもいてスペイン語を理解するかたもいるのですが、傍から見た感覚として6~7割は、スペイン語は理解せず英語を話していたように思えました。

であるのに、オスピタレロの中には、頑なにスペイン語しか話さずA4一枚に目いっぱい記載された英語のルールを渡し”理解しましたね。”という方もいて本当に巡礼者に伝わっとんかいな、と思われることもありましたが、そこはそれ不明なことは巡礼者同士で補い合い、なんとか成立しているようでもありました。

さて、このアルベルゲです、宿泊費は10€で安価ですが、ご覧のとおりなんとプール付き。泳ぐ人はいませんでしたが。。

プール付きアルベルゲ