Quantum of Treks

タダより安いものはない。歩けばそこに報酬(Quantum)あり。

JAXA 宇宙科学研究所 相模原キャンパス

横浜線淵野辺駅から徒歩10分

学校でもないのになぜキャンパスというのだろう。との疑問から入りましたが、見学だけなら一般人への敷居は低く、予約なくツアーに参加できます。無料です。

展示施設棟の隣の棟、ここで見学者を一旦曇りガラスの前に並ばせる。

合図とともに、ガラスの曇りが一瞬でとけた。見学者から軽い感嘆の声が漏れる。

目の前は20m四方の白い砂地が波打つ地面に、違う形状のローバーが3台ほど、月面などで走らせるための実験場だ。白い砂は、直径0.2㎜~0.6㎜に整えられたものが40t。なんでも均一な砂を敷き詰めることで、できるだけ走行困難な状況を作り出し実験しているのだとか。

ローバー実験場

展示室に移る。入り口では、宇宙開発はまずもって1955年糸川博士による、ペンシルロケットから始まったとの説明、当時の実物が展示されているが、本当にペンシル程度の大きさである。これをロケットと言うのかしら?

ペンシルロケット(実物)

展示棟の外部に2台のロケットが展示されている。

ほぼ本物だが、先端のフェアリングが後からつけたものとか、では本物先端はというと、この展示室の入り口中央にあるもの、なんでもペイロードを守るロケット先端のフェアリングは軽いものなければならないため、FRPでできている。しかしながらFRPは紫外線に弱いため、この部分だけ室内で展示しているのだそう。

ロケット先端のフェアリング

宇宙に送り込まれる人工衛星は、空気がないことから太陽からの光をそのまま受ける。よって光を受ける面は100度、陰の面はマイナス100度になるのだそう。すごい温度差である。そこで人工衛星の周囲には熱に強いポリエステルの幕を施すのだが、これにアルミ箔を蒸着させ10層にする。では、さいごに幕を本体に張り付けるのはどうするのか、ここで説明員はにやり、「マジックテープではるのですね。風のない宇宙では決して剥がれない。」

特殊皮膜を張り付けた衛星

壁には巨大な気球の写真が貼ってある。できるだけ本物を展示しているというこの施設にあって、これは本物ではない。なぜか、本物は直径110mある。東京ドーム一つ分、大きさがわかるよう床の靴型に足をそろえると、気球の下の小さなモニターに足を乗せた人の全身が小さく映る。

観測用巨大気球のモデル

小惑星探査衛星のはやぶさ2と地球までは、太陽までの距離の倍、無線指令を送るには10分かかり、緊急時に対応できない。そこで小惑星”りゅうぐう”をタッチダウンさせるにあたり、はやぶさ2自ら判断できるよう目標を定めるマーカーを現地に落とす。展示説明では、この野球ボールのようなマーカーにストロボをあて写真を撮ってくださいという。マーカーには陰影がなく全体が丸く輝いていた。

タッチダウンの際に目標とするマーカー

説明員からの説明はここで終了。

このほか、展示室の壁面をスクリーンにしたビデオを流していた。

別棟には、関連グッズを販売する売店もある。